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令和4年第6回定例会 令和4年9月22日(木) 反対討論

​『議第82号 広島県水道広域連合企業団の設立について』に対し、反対討論に立ちましたのでご紹介します。

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◆徳重政時議員

 先ほど寺田議員から反対討論がございました。

 私なりの別の観点から反対討論をただいまより行いたいと思います。
 議第82号広島県水道広域連合企業団の設立について、本市は企業団への不参加を表明している尾道市、福山市と連携すべきであって、本企業団の設立に同意すべきでないとの立場から反対討論を行います。
 県が平成30年1月に広域連携案を提示して以降、今日まで理事者側から議会に対して、この議場だけでなく委員会、全員協議会や日頃の議員活動の中で様々な説明がなされました。

 私は、それらのことを市民の皆様や水道事業者の皆様の下に足を運んで説明や意見交換をし、皆様からお聞きした声を理事者側に再三ただしてきました。

 そうしたことを繰り返しながら、今年3月には総括質問で本件を取り上げ、その概要、私の考えや水道事業を取り巻く参考資料などを後援会報に載せ、私なりに説明責任を果たしてまいりました。

 その結果、企業団の設立に同意すべきではないと判断するに至り、その理由を述べます。
 真っ先に上げられるのが、取組開始当初の想定と現状に著しい乖離があるため、見込まれていた効果を期待できないことです。
 当初は県と水道事業を実施している県内21の全市町の参加を想定していましたが、府中町と坂町に給水している広島市が一昨年6月に脱退したのを皮切りに、同年9月に福山市、同年12月に呉市と尾道市、昨年3月に大竹市と海田町が相次いで構想から離脱しました。

 これら人口の多い6つの市町が離脱した結果、県下266万人の8割近くを占める208万人が離脱をいたしました。

 そして、今年の7月には安芸太田町が離脱し、企業団に参加するのは9市5町で、2割強の58万人にすぎない流れとなっております。

 地図に落とすことで可視化できますが、狭い範囲に人口が集中していることで効率的な水道事業を行いやすい市町が離脱した一方、広い範囲に人口が分散していることで効率的な水道事業を行いにくい市町のみが参加するという、当初の構想とはかけ離れた現状となりました。

 にもかかわらず、今後40年間の数字が示されている水道部の資料では、効果額が当初より増え、統合全体で985億円、本市においては年平均2億2,000万円となる89億円が想定されています。

 どうして効率的な水道事業を行いやすい市町が離脱したというのに、当初より増えた本市の効果額を期待できるでしょうか。
 次に挙げられるのが、提示された効果額に対する疑念を払拭できない事例の存在があります。
 中国新聞では、今年1月12日、19日、一昨年4月の計画変更時にボーリング調査を行っていなかったことが原因とのことですが、「地質調べず固い岩盤発覚、事業費42億円増、水道代に影響、広島県の送水事業」と題した記事の中で、海田町と呉市を結ぶ新たな送水トンネルの工期が3年延びたこと、事業費が42億8、000万円増となったこと、増額分は最終的に県民の水道代に影響することを報じました。

 また、県の実施事業には、トンネル内壁の設置費など6項目の工事費を含んでいなかったため、中国新聞で一昨年11月14日に「二葉山トンネル287億円で合意、当初契約額の1.4倍」と報じられた事例があることも周知のとおりです。
 これらのように県によるずさんな事業が次々と明るみに出る中で、県が提示する効果額を信じて企業団に参加できるでしょうか。

 仮に県が提示した効果額を信じ得るとしても、単独経営の場合、10年以内に赤字に陥るとされている2市1町の一つである本市が企業団に参加するか否かを問わず、10年以内に赤字に陥る5市1町に対して資金を融通したり工事の先送りを受け入れたりしなければならなくなる懸念もくすぶり続けています。

 本市の計画する事業が果たして順調に実施できるのか、それとも画餅に帰すのか、誠に憂慮に堪えません。
 これまで本市が命に直結する水を日頃から安心・安全に供給でき、災害発生時やトラブル発生時に迅速に対応できたのも、管路を熟知した地元事業者の皆様の御努力や豊富な知識と経験があってこそではないでしょうか。

 同じ広域化するなら、同じ沼田川水系の恩恵にあずかっている尾道市や福山市と連携すべきではないでしょうか。

 広島県の水道が広域化された先に、効率化と採算性だけを追い求める一方で、不採算部門を縮小したり切り捨てたりする民営化へ突き進む流れがあることは自明の理ではないでしょうか。
 民営化されたものとして真っ先に思い浮かぶのは、現JRの国鉄と現日本郵政グループの郵政公社です。

 市民にとっての利便性は、民営化されて以降よくなったでしょうか。

 それらの現状を鑑みれば、本市の水道事業の将来性の姿は火を見るより明らかです。
 以上述べました理由のとおり、企業団の設立に同意することに極めて疑念を抱かざるを得ません。

 後顧の憂いなきよう、私の反対討論を終わります。

 御賛同のほどよろしくお願いいたします。御清聴ありがとうございました。

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