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令和5年第7回定例会 令和4年12月8日(金) 一般質問

1 地籍調査について
 (1)本市における地籍調査の進め方は
 (2)地籍調査が完了及び未了の区域は
 (3)これまでに投入された事業費の累計は(国・県・本市の負担分)
 (4)地籍調査が完了していないことが公共事業に影響した件数・追加費用や内容は

2 持ち主不明の土地・建物について
 (1)件数(筆数)及び土地の総面積は
 (2)持ち主が不明となった理由と各理由に該当する件数(筆数)と土地の総面積は
 (3)過去5年の土地・建物の持ち主不明を理由に固定資産税などを徴収できず不納欠損処分した
   件数(筆数)・金額及び全体に占める割合は

3 新型コロナウイルス発生以降の本市を取り巻く諸情勢について
 (1)コロナ禍以降に実施された各種支援策の内容及び予算額と決算額について
 (2)コロナ禍以降から現在に至るまでの本市の経済情勢について
   ・就業者の平均年収の推移は
   ・就業者数・失業者数・求人倍率などの推移は
   ・撤退した事業所数と失われた雇用者数は
   ・倒産(破産)・廃業・閉店した事業所数の負債総額及びその傾向は
   ・生活保護受給者の推移は

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德重政時議員

 議長よりお許しをいただきましたので、通告しております3項目について質問を始めます。
 広島市安佐南区上安で問題視されている不適切な盛土とその上に拡張された産廃処分場に対しては、一昨年の熱海市の事例と同様の前の持ち主、現在の持ち主というふうに責任の所在があやふやな状態のため、土石流災害など危険な状態が発生した場合に、責任の所在を追及できない懸念が予想されているところです。
 こうした事例に代表されるように、担当職員はもちろん、何より地域住民が振り回されるのでは、明治時代以降の土地に関する施策が極めてずさんであったこと、。
 こうした状況を改めるため、令和4年9月20日に重要土地等調査法(重要施設周辺及び国境離島等における土地等の利用状況の調査及び利用の規制等に関する法律)が全面施行となりました。
 また、所有者不明土地法(所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置)も平成30年11月より施行されております。
 昨年9月の定例会で宮垣議員から所在者不明の土地についての質問があったことや、先月14日に全国議長会の令和5年度空き家・空き地に関する特別委員会が本市で開催されたことから分かるように、今日、全国にわたって土地をめぐる諸情勢に注目が集まっておりますので、公共事業の促進、災害からの復旧、土地取引の円滑化、課税の適正化などに資する土地建物に関する諸施策について質問をいたします。
 初めに、1項目め、地籍調査についてでありますが、地籍は、言うまでもなく土地の戸籍で、1筆ごとの土地の位置と面積、所有者等を記したもので、この地籍調査がほとんど完了していない区域が東京、名古屋、大阪の三大都市圏であります。
 地籍調査等を経た精度の高い●●は、国全体の約54%で、残り約46%は未了の状態、つまり地籍が確定しておりません。
 それにもかかわらず、誰もが自分が持つ土地は確かであるとその権利を信じ、銀行もそれを担保にローンを組んでおります。
 2004年の新潟県中越地震の県道復旧工事では、地籍調査の完了地区は2か月で終了したのに対し、未了の地区は1年を要したとのことです。
 境界を確定しておけば、売却や相続時、道路拡張や災害復旧の公共事業もスムーズに進み、工期も短縮されます。
 そこで、本市の状況を4点について見解を求めます。
 まず1点目、本市における地籍調査の進め方は。
 2点目、地籍調査が完了及び未了の区域は。
 3点目、これまでに投入された事業費、国、県、本市の各負担分の累計は。
 4点目、地籍調査が完了していないことが公共事業に影響した件数、追加費用と内容について伺います。


▼岡本純祥議長
 植村経済部長。


▼植村正宏経済部長
 御質問1点目についてお答えします。
 地籍調査事業は、国土調査法に基づいて、市町村が実施主体となり、土地の所有者、地番、地目、境界確認、測量を行い、地図を作成し、境界や面積等土地情報を正確なものに改めるものです。
 地籍調査事業が実施されていない地区の地図は、地図に準ずる図面である公図となっております。
 公図は、明治に作成された図面が基になっており、測量技術の未熟さや短期間で作成されたことから、境界や形状などが正確でない場合があります。
 これを是正するため、1調査区につき約3年間かけ地籍調査事業を実施しております。
 この3年間の内容ですが、まず1年目に1筆ごとの土地の所有者、地番、地目の調査を行い、現地立会後、測量を実施します。
 2年目には、各筆の筆界点を基に地図を作成した後、面積を測定し、土地情報を明記した地籍簿と地籍図を作成します。
 また、この時点で閲覧にかけ、誤りなどを訂正する機会を設けます。
 3年目には広島県の成果認証を経て、法務局に地籍簿と地籍図を送付し、地籍簿を基に登記簿の記載が訂正され、地籍図は新たに法務局備えつけの地図になります。
 御質問2点目についてお答えします。
 地籍調査事業は、合併前よりそれぞれの市町で実施されていました。
 本市の地籍調査の状況ですが、調査対象面積430.06平方キロメートルのうち、令和4年度末で252.54平方キロメートルが完了し、進捗率は58.72%となっております。
 三原市の進捗率は19.47%で、平成7年度に着手し、鷺浦町、学園町の一部、宮浦六丁目の一部、新倉町、沼田町、長谷町、八幡町篝の一部、小坂町については、山林部の一部を残し完了しております。現在は高坂町真良及び小泉町を実施しており、そのほかの地区は未着手となっております。
 本郷地域の進捗率は78.32%で、昭和27年度に着手し、上北方地区と善入寺地区の山林部の一部を除き平成29年度に完了しております。
 久井地域の進捗率は70.9%で、昭和46年度に着手し、現在実施しております吉田地区をもって高地部は全域完了となります。また、山林部は、羽倉、和草、下津、江木地区の一部を残し完了しております。
 大和地域の進捗率は100%で、昭和32年度に着手し、昭和51年度に全域完了しております。
 御質問3点目について、合併後令和4年度までの事業費の累計についてお答えいたします。
 地籍調査事業に係る総事業費は9億9,190万1,000円で、内訳は、国費4億5,358万円、県費2億2,679万1,000円、本市の負担分は3億1,153万円となっております。
 御質問4点目についてお答えいたします。
 地籍調査が完了してないことが公共事業に影響した事案については、事業が多岐にわたるため、特定することはできません。
 しかしながら、地籍調査を実施していないと、土地情報が明確でないことから、事業計画作成に時間を要し、着手が遅れるなど、公共事業が円滑に実施できないことが懸念されます。
 近年、人口減少、高齢化の進展や都市へ人口移動などにより、境界に関する記憶が失われたり、境界として相互に認証されてきた目印がなくなってきており、正確な土地情報を残すことが困難な状況となってきております。
 このことから、今後も早期完了を目指し、地籍調査事業を推進してまいります。

 

▼岡本純祥議長
 15番德重議員。


▼德重政時議員
 それぞれ答弁をいただきました。4点目の地籍調査が完了していないことが公共事業に影響を及ぼした事案については、事業が多岐にわたるため特定することができないとのことでしたが、今後は起こり得ることを想定して、早期に地籍調査に取り組んでいただきたい。そこで、今後完了までに見込まれる費用とスケジュール及び令和5年度の地籍調査の完了予定の面積と進捗率をお伺いいたします。


▼岡本純祥議長
 植村経済部長。

 

▼植村正宏経済部長
 再質問にお答えいたします。まず、今後完了までに見込まれる事業費の算出ですが、面積、筆数だけでなく、調査を実施する場所によって縮尺や精度、平均傾斜度などの条件が異なるため、困難であります。また、令和4年度末現在、未調査の面積は177.5平方キロメートルであり、年平均1.8平方キロメートル調査しても約100年かかるため、完了までのスケジュールについては明示できません。
 次に、令和5年度の完了予定面積と進捗率は、三原地域0.45平方キロメートルで19.72%、久井地域0.31平方キロメートルで71.4%、2地域を合わせた面積は0.76平方キロメートルとなり、市全体の進捗率は前年度末より0.18ポイント増の58.9%となる予定です。


▼岡本純祥議長
 15番德重議員。


▼德重政時議員
 再答弁にありましたように、令和5年度の完了予定面積の増加は0.76平方キロメートル、進捗率は0.18%とのことでした。
 このペースでいくと、完了するまでには何十年もの歳月、そして莫大な労力と費用がかかることでしょう。人証、物証も時とともに失われていきます。
 境界紛争の事案は全国各地で起きていることは周知のとおりです。
 困難を伴う気の遠くなる作業とは思いますが、市民の皆様の御理解と御協力を得ながら、またドローンの活用などによるスピードアップをお願いして、次の質問に移ります。
 2項目め、持ち主不明の土地、建物についてでありますが、不動産登記簿により所有者が直ちに判明しない場合と、所有者が判明しても、その所在が不明で連絡がつかない場合があります。
 本市においても手入れをされず、荒れ放題で倒壊の危険や生活環境に悪影響を及ぼす事案が増加の一途であります。
 また、このような状況が進行することにより、管理や除却の費用がかかる上、固定資産税などが徴収困難となる不納欠損処分の増加につながり、市の貴重な財源確保に多大な影響を及ぼしていることを懸念しております。
 そこで、その実態を確認するため、以下の3点について見解を求めます。
 まず1点目、件数(筆数)及び土地の総面積は。2点目、持ち主が不明となった理由と各理由に該当する件数(筆数)と土地の総面積は。
 3点目、過去5年の土地、建物の持ち主不明を理由に固定資産税などを徴収できず、不納欠損処分した件数(筆数)、金額及び全体に占める割合等についてお伺いします。


▼岡本純祥議長
 松原財務部長。


▼松原秀樹財務部長
 御質問1点目及び2点目について、併せてお答えいたします。
 固定資産税が賦課されていない持ち主不明の土地、建物につきましては、業務上必要となった物件のみ現所有者を調査しているのが実情で、業務上必要のない物件は、資産税課のみならず他の部署も把握しておりませんので、市内全域の件数等は不明ですが、固定資産税が賦課されているもので相続放棄により成立した相続財産法人が所有するなど市が把握する持ち主不明の土地、建物は、令和5年度で申しますと74件、土地の筆数は412筆、土地の総面積は約79万7,000平方メートル、本市総面積の0.17%で、建物は97棟であります。
 また、持ち主不明の土地、建物の発生理由は、大きく分けて4つに分類することができ、1つ目は、不動産登記簿等を参照しても所有者が直ちに判明しない土地、建物で、令和5年度の件数は6件、土地の筆数は16筆、土地の総面積は約17万4,000平方メートル、建物は1棟であります。
 2つ目は、所有者が判明しても所有者に連絡がつかない土地、建物で、5件、14筆、総面積は約4,000平方メートル、建物は3棟、3つ目は、相続放棄による土地、建物で、53件、307筆、総面積は約49万5,000平方メートル、建物は75棟、4つ目は、法人の倒産等による土地、建物で、10件、75筆、総面積は12万4,000平方メートル、建物は18棟であります。
 御質問3点目についてお答えいたします。
 持ち主不明の土地、建物の固定資産税等については、差押え可能財産等が把握できず、また土地の価値や処分費用等から公売に適さないため、徴収の手だてがないことから、執行停止等の不納欠損手続を行っております。
 令和4年度の不納欠損額は35件の約780万円、全体の調定額に占める割合は約0.1%で、該当する不動産は土地183筆と建物47棟、令和3年度の不納欠損額は19件の約60万円、調定額に占める割合は約0.2%で、該当する不動産は、土地71筆と建物18棟、令和2年度の不納欠損額は21件の約70万円、調定額に占める割合は約0.8%で、該当する不動産は、土地71筆と建物28棟、平成31年度の不納欠損額は11件の約30万円、調定額に占める割合は約0.3%で、該当する不動産は、土地37筆と建物15棟、平成30年度の不納欠損額は12件の約60万・円、調定額に占める割合は約0.5%で、該当する不動産は、土地102筆と建物13棟であります。
 なお、令和4年度の不納欠損額が多い理由は、法人の破産手続の終了及び相続財産清算人の任務終了等により滞納税額を徴収できる可能性がないため、不納欠損処分を行ったためであります。
 持ち主不明の土地、建物の増大は、固定資産税等の減収に直結することから、令和2年度の税制改正及び三原市税条例改正により創設した固定資産税の納税義務者死亡時に相続人の氏名、住所等を申告していただく現に所有している者の申告制度や市町村が調査を尽くしてもなお固定資産の所有者が一人も明らかとならない場合に、使用者を所有者とみなして固定資産税を課することができる使用者を所有者とみなす制度を令和5年度では7件、令和4年度では3件、令和3年度では2件適用し対応しておりますが、今後におきましても国の動向等を注視し、情報収集及び市民への情報提供に努めてまいります。
 また、国においては、所有者不明土地の解消に向け、令和3年に民法や不動産登記法の改正、相続土地国庫帰属法の制定がなされたところであり、これらの法改正などに基づき、令和5年4月以降、所有者不明土地の発生の予防などを図る新たな取組が段階的に施行されております。
 主な取組を申し上げますと、不動産登記法の改正により、不動産を取得した相続人に対し、取得を知った日から3年以内に相続登記の申請が義務づけられ、正当な理由のない申請漏れには10万円以下の過料の罰則が設けられます。
 また、土地を相続することへの負担感が増しており、相続した土地が所有者不明土地の予備群となっていることから、相続土地国庫帰属法の制定により、相続により取得した土地を国庫へ帰属させることができる制度も創設されております。


▼岡本純祥議長
 15番德重議員。


▼德重政時議員
 それぞれ答弁をいただきました。
 2点目について、答弁の最後にあった持ち主不明の土地、建物の発生の予防については、昨年の宮垣議員の質問に対する答弁とほぼ同じですが、この1年余の間で新たに取り組んだ内容と今後の取組予定の内容及びそのスケジュールについて伺います。


▼岡本純祥議長
 松原財務部長。


▼松原秀樹財務部長
 再質問にお答えいたします。
 持ち主不明の土地、建物の発生予防につきましては、国の施策となることから、国が作成しましたリーフレット等の配布を行うとともに、窓口等での問合せ対応など、周知に努めております。
 今後も情報収集に努め、国が新たな施策を施行する際には、遅滞なく周知に努めてまいります。


▼岡本純祥議長
 15番德重議員。


▼德重政時議員
 答弁をいただきました。
 いずれにしても避けることのできない難題であります。
 東京財団上席研究員の平野秀樹氏は、10年も前から本格的な人口減少に突入した日本では、こうして捨てられた空間、使えなくなった土地が高齢化と相続人の不在によってさらに拡大することは確実であろう。幽霊地主が各地で増え、隣接地の所有者はもとより、帰属不明で誰も関われない資産が続出していくだろう。国土が不明化し、やがて死蔵化し、国土が無価値化となる。そんな未来が既に始まっていると警鐘を鳴らしておられます。
 答弁にありましたように、令和5年度の持ち主不明の土地が74件で、そのうち断トツの相続放棄が53件、筆数307、面積は49万5,000平方メートルです。
 そして、過去5年分の不納欠損処分は98件、金額は約1,000万円、土地が延べ464筆、建物が延べ121棟です。調定額に占める割合は0.12%ですが、決して小さな数字ではありません。
 本市の貴重な財源の確保、課税の適正化と税の公平性からも、しっかり取り組んでいただきたい。
 本件については、次の機会に改めてお伺いさせていただきます。
 さて、来年4月からは、これまで任意だった相続の届出が義務化されるだけでなく、罰則も科せられますので、罰則が施行される前の年度内に広報紙の有効活用などで周知に努められることをお願いして、次の質問に移ります。
 3項目め、新型コロナウイルス発生以降から現在に至る本市を取り巻く諸情勢についてであります。
 電気、ガス等のエネルギー価格、食料品等の物価高騰対策として家計負担の軽減を支援するとともに、本市の二酸化炭素の排出量の削減を推進することをうたった省エネ家電買替支援事業が9月末までの購入、設置を条件に、新型コロナウイルス対策の地方創生臨時光交付金から1億5,000万円の補助枠を確保して7月にスタートしましたが、申請が予算の半分にとどまったことを受け、期間が延長されております。
 そこで、省エネ家電買替支援事業の原資が新型コロナウイルス対策の地方創生臨時交付金であること、新型コロナが5類に移行されて半年以上が経過したことを踏まえ、2点質問します。
 1点目、コロナ禍以降に実施された各種支援策の内容及び予算額と決算額について。
 2点目、コロナ禍以降から現在に至るまでの本市の経済情勢について。
 まず1つ目、就業者の平均年収の推移は。
 2つ目、就業者数、失業者数、求人倍率などの推移は。
 3つ目、撤退した事業者数と失われた雇用者数は。
 4つ目、倒産(破産)、廃業、閉店した事業所数の負債総額及びその傾向は。
 5つ目、生活保護受給者の推移はについて、以上、お伺いします。


▼岡本純祥議長
 植村経済部長。


▼植村正宏経済部長
 御質問1点目にお答えします。新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、感染拡大防止対策として資機材整備事業や公共施設の換気・空調機能強化事業やアフターコロナ、ウイズコロナに向けた対策として公衆無線LAN、スマートロック整備事業などを実施してきました。
 また、原油価格・●物価●高騰の影響を受けた低所得世帯、子育て世帯などの生活者向けに臨時特別給付金事業、事業者向けに中小事業者事業継続支援事業や福祉事業者支援事業などの支援を行うなど、国の地方創生臨時交付金を活用して、令和2年度以降、様々な事業を実施してきました。
 令和2年度から令和4年度までの3年間で、予算額約47億4,000万円に対して、決算額約38億3,000万円の事業を実施し、それに対して地方創生臨時交付金は約31億8,000万円を活用しております。
 また、令和5年度においても同交付金を活用し、低所得世帯、子育て世帯への臨時特別給付金事業、介護保険、障害福祉サービス事業者支援事業、中小事業者エネルギー価格高騰対策支援給付金事業や省エネ家電買替支援事業など、11月末までに19億5,960万円を予算計上しております。
 御質問2点目についてお答えします。まず、就業者の平均年収の推移について、市が毎年実施している課税状況調べの数値でお答えします。
 ただし、課税状況調べは、課税をする上での数値となるため、収入ではなく所得を集計しているため、所得でのお答えとなります。
 就業者の平均所得は、令和2年が298万3,000円、令和3年が301万7,000円、令和4年が305万9,000円であります。
 次に、就業者数は、令和2年が3万4,965人、令和3年が3万4,491人、令和4年が3万4,479人であります。
 有効求人倍率については、ハローワーク三原の報告によると、令和2年度が1.23、令和3年度が1.33、令和4年度が1.48倍であります。
 失業者数については、三原管内における公表数字がなく、広島労働局が公表している広島県全体の完全失業者数で言えば、令和2年度が約3万6,000人、令和3年度が約3万5,000人、令和4年度が約3万2,000人へと減少しております。
 次に、三原市内から撤退した事業所数と失われた雇用者数については、令和2年に撤退した事業所数が26事業所で、そこで働いていた従業員数は107人、令和3年が同じく34事業所で261人、令和4年が同じく34事業所で125人となっております。
 倒産、廃業、閉店した事業所数と負債総額及びその傾向については、民間調査会社の公表によると、コロナ禍以降の令和2年から令和5年10月末時点までの倒産件数は計15件で、負債総額は約4億6,500万円です。
 業種については、食品製造業、飲食業、サービス業、宿泊業など多岐にわたり、倒産等の理由としては、顧客の減少による売上減や金融機関への債務返済、物価高騰等の影響によるものが主な要因とされております。
 また、三原商工会議所、三原臨空商工会からの報告によると、廃業を理由に会員を脱会した件数は、令和2年度から令和4年度末までに計120件あり、このうちコロナの影響による廃業は6件で、業種は、娯楽業、宿泊業、建設業、不動産業、製造業、サービス業と聞いております。
 本市の生活保護受給者の各年度末における推移については、平成29年度と30年度は802世帯で1,020人前後、その後平成31年度では767世帯、949人となっており、コロナ禍発生以降は、令和2年度774世帯、936人、令和3年度751世帯、910人、令和4年度は729世帯、896人で、減少傾向にあります。
 減少の理由としましては、生活保護の廃止件数が開始件数を上回ったためであり、廃止の主な理由としては、死亡による高齢者世帯の減少、次いで世帯主の収入の増加となっております。
 感染症の分類が5類に移行した令和5年度は、10月末時点で745世帯917人と、コロナ禍において生活保護受給者が増加した状況ではございません。
 5類移行後、人の往来も活発化するなど、徐々にではありますが、明るい兆しも見えてきております。
 一方で、国際情勢を起因とする原油価格・物価高騰等の影響により、事業者の方々は依然として厳しい状況が続いているものと認識しており、引き続き商工団体や金融機関と連携を図りながら市内事業者の状況把握を努め、適宜適切に対応してまいります。


▼岡本純祥議長
 15番德重議員。


▼德重政時議員
 ただいまの答弁にありましたように、新型コロナを理由とする各種制限や各種支援策が講じられましたが、甚大なダメージが市民生活や企業、事業者に残されたままです。
 市長は、今年の7月22日に大和町のくわなし皆来館で開催された第4回市長と語る会で、34名の方々を前に開口一番、三谷屋さんが閉店されるそうで、皆さんお困りになるでしょうと切り出されたとのこと。
 市長の発言に固唾をのんで期待された住民も少なからずおられたようですし、何らかの支援策を講じてくれるものと期待しておられたそうです。
 報道にもありましたように、三谷屋さんはできる範囲で当面の間として、買物に困る地元の高齢者の方々のことを思われて、10月16日から売場面積と営業時間を大幅に縮小され、再開されたとはいえ、9月末をもって一度は閉店されました。企業努力にも限界があります。
 先ほど言及したように、新型コロナウイルス対策の地方創生臨時交付金から1億5,000万円の補助金を確保して実施された省エネ家電買替支援事業についての福山市の反響を見て多めに予算を組んだ、1か月くらいで枠が埋まると思っていた、6月のエアコン買換え需要に間に合わなかったことが響いたのではないかとの生活環境課のコメントに対し、三原市の経済情勢に全くマッチしていなかったのではないかとの声が多くありますので、市長の見解を求めます。

 
▼岡本純祥議長
 岡田市長。

 
▼岡田吉弘市長
 本市では、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用し、エネルギー、食料品価格等の物価高騰の影響を受けた生活者や事業者を支援をしております。
 その中の省エネ家電買替事業については、省エネ性能に優れた家庭用エアコン等の買換え費用の一部を補助することにより、電気料金の削減とゼロカーボンシティの実現を促進する目的で実施しました。
 当初の申請期限の9月末時点の執行率は57.4%でしたが、期間を延長し、現在も申請が増加しているということから、事業の効果が得られたものというふうに考えております。
 また、先日閣議決定されたデフレ完全脱却のための総合経済対策において、同交付金の追加が行われることになりまして、今期議会の補正予算に提案させていただいております。
 今後も同交付金の趣旨を鑑みて、エネルギー、食料品価格等の物価高騰の影響を受けた生活者や事業者のニーズを的確に把握をして、適切な支援に努めてまいります。


▼岡本純祥議長
 15番德重議員。


▼德重政時議員
 答弁を伺いました。
 市民の声に対する誠意ある答弁には程遠く聞こえるのは私だけでしょうか。
 省エネ家電買替支援事業には、物価高騰対策の恩恵にあずかれるのは買い換える余裕がある人だけではないか。わざわざ所得の再配分機能の根幹である税金を使って、補助を受ければ買い換えることのできる人と、補助を受けても買い換えることができない人の格差を拡大しているだけではないかとの厳しい指摘があります。
 家電の買換えに1億5,000万円の予算を割くなら、中山間地を中心に指摘される買物弱者や交通弱者のために予算を割けないのかとの声や、一日だけの佐木島ロードレースには、開催援助として500万円が使われた一方で、公平性がないからとの理由で約230万円の佐木島航路の運賃助成を来年度から打ち切ることに対しても田中議員が島民の声を代弁されておりますように、非常に強い疑念、批判の声もあります。
 省エネ家電買替支援事業と買物弱者支援運賃助成、税金の使われ方として適切なのはどちらでしょうか。
 市長は、3年前の所信表明以降、繰り返し誰一人取り残さないと標榜されています。
 また、市長は、昨日の本会議の場で、納得感、わくわく感、誇りを持てるまち、住んでよかったと思えるまちを目指す。私の目指しているまちづくりは確実にできると明言、次期市町村に出馬すると声高に表明をされました。
 本市のトップとして、取り残されそうな境遇にある方々に寄り添った判断をされますよう強く要望いたしまして、私の質問を終わります。


▼岡本純祥議長
 以上で德重議員の質問を終わります。

 

活動報告 第25号
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